免疫力を上げる交流術 その2
<人間関係の根底に流れるもの>
前回は、
・プラスの言葉かけが体温を上げ、免疫力をあげること。
・教育には「誉める」と「叱る」のバランスが大切だということ。
・そして、その前提には相互間の深い信頼関係があって初めて成り立つ、
というお話をしました。
一番大切なのは 「自分はここにいてもいいんだ、 自分はこれでいいんだ」
という自己肯定感がしっかりもてる人間関係があるかどうか。
自分を受け入れてくれる人が 一人でもいるかどうか、です。
叱るという否定的な行動は この信頼関係があれば 人を成長させる「糧」になる一方、
信頼関係が少しでも揺らいでいると、
自信をくじき、 自己嫌悪と他者否定という マイナスの世界へと導くエネルギーとなり 私達を知らない間に悩まします。
今日は前回に引き続き、 自己肯定的な生活スタイルが 体にどれだけの影響を与えるかを 科学的に確かめた研究をご紹介。
<ナン・プロジェクト>
2001年、ケンタッキー大学のダナー教授グループは ウィスコン州、メリーランド州のカソリックシスター達が 1930年に書いた180人分の手紙を分析しました。
手紙の中のプラスの言葉とマイナスの言葉を数値化し、 その後の健康状態や寿命との関係を分析しました。
60年後の追跡調査で、 マイナスの言葉が多かったグループは43%生存。 プラスの言葉が多かったグループは90%生存、 という結果でした。
面白いのはここからで、 マイナスグループの生存者は ほとんどに病歴や病気がありました。
一方、 プラスのグループのほとんどが 健康を維持していました。
気候などの生活環境、食事内容、生活習慣など シスターの日常には大差がないため 科学的にも妥当性が高い結果。
プラスの言葉がいかに健康に影響を及ぼすかというのを 初めて科学的に見ることができたリサーチでした。
<植物での実験:思いは体の栄養になる?>
最後に、スウェーデン家具IKEAの実験画像です。 (ちょっと有名になってしまいましたね。)
「Bully a plant : Say no to bullying (いじめにNOと言おう)」
実験内容:
2つの同じ植物を同じ条件下に置き、 アクリルの箱をかぶせ直接人とは物理的接触が出来ないようにしてある。
1カ月間学校内に置かれ,子ども達に毎日声をかけてもらう。 片方は褒められたり、励まされたりとポジティブな言葉。
もう一方はネガティブな言葉をかけ、いじめの対象になるという設定。 その結果はネガティブな言葉をかけられて過ごした植物は枯れかけている。 ↓ https://www.youtube.com/watch?v=Yx6UgfQreYY
IKEAはこの実験を通して
「人間も植物と同じであり、 幸せなコミュニティをつくるためには互いに思いやりをもつべきだ」 と締めくっています。
この実験には 植物は撫でられるとよく育つので 言葉は関係ない、など 賛否両論よせられていますが、
少なくとも、私達人間には プラスの言葉や接し方は
私たちの心の栄養となり、 そして体の健康維持までしてしまう 最高の栄養・メディスンであることは 確かだ、といってもいいでしょう。
(交流分析心理学の言葉では「ストローク」)
一つでも多いプラスの言葉がけ、 今日からできる最高のアンチエイジングかもしれません。
そして、 マイナスの球がきてもプラスに打ち返す技。
その技、磨きたい? そんな方は心理学のワークショップに 足をお運びください!(^^)!
<ワークショップのお知らせ>
※横浜でも「ママのための勉強会」を開きます。12月7日(金)10:00~11:00
http://vine-art.com/archives/1674
※次回の脳と心の勉強会「脳HOW」は12月27日(木)10:30~12:00
「子どもでもわかるやさしい自律神経のはなし」です。 http://vine-art.com/archives/1548
※次回、武蔵野市での「ママのための勉強会」は2月22日(金)10:00~11:30