Clinical Psychologist ant Therapist
カウンセラーとセラピスト
カウンセラーとセラピスト。似ているようでその内容は大きく違います。
「カウンセリングを受けに行ったのに、具体的なアドバイスは何ももらえなかった。」という話がよくあります。逆に「カウンセリングを受けに行ったら、アドバイスはたくさんくれたが話は聞いてもらえなかった」という話もよく聞きます。
日本では、カウンセラーに行く、という習慣が欧米と比べてまだまだ根づいていないため、なかなか門をたたきにくいのが現状ですが、この2つの違いを知り、目的に応じて使い分ければ、より早くスマートに問題解決に向かいます。
セラピストは直訳すると「治療者」です。そしてセラピストが行う心理療法を「セラピー」と呼びます。セラピーは、精神医学から発達したもので、具体的な症状をもった「患者」を対象とし、主に精神医が行います。目的はその症状を「治す」ことです。セラピストは症状を治すために、具体的、積極的に治療=セラピーを行います。
一方、カウンセラーが行う心理療法は「カウンセリング」と呼びます。カウンセラーとは「相談員」という意味です。カウンセリングは心理学から発達したもので、その目的は、悩みや不安をもった人の「内的成長」を促し、援助すること。そのためにカウンセラーはクライエントの話を聞き、一緒に問題解決をします。カウンセリングに来た人を、「患者」とは呼ばずクライエント(来談者)と呼ぶのも特徴です。
つまり、セラピストは具体的な「治療」を行いますが、カウンセラーは「治療はしない」、というのが大きな違いです。日本では、その境界は曖昧で、カウンセリングを行うセラピストもいれば、セラピーを行うカウンセラーもいます。まずは、自分がカウンセリングを受けたいのか、セラピーをしてほしいのかを明確にすると、スムーズにいきます。
ちなみに、「アートセラピスト」も「セラピスト」といいますが、治療をするアートセラピスト(精神病院、ホスピスなど)もいれば、カウンセリング中心のアートセラピスト(教育機関でのカウンセリングなど)もいます。初回面接のときに、どういった方法でカウンセリング・セラピーをしているかを聞き、そして自分の希望はどうなのかを伝えておくといいですね。