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Art Therapy in US

 

アメリカのアートセラピープログラム

 

Art Therapyは日本語ではアートセラピー、または芸術療法と訳されています。個人的には芸術療法という呼び名を好んで使っていますが、ここではより親しみやすいようにアートセラピーと統一します。

 

アメリカではアートセラピストは専門的なトレーニングを積んで様々な分野で活躍しています。精神病院、心療内科、長期入院患者、小児科、ホスピスなどの緩和ケア―(本人とその家族)、アルツハイマー病・パーキンソン病患者の施設、教育機関、カウンセリングルーム、刑務所、社内研修、院内研修などで自己啓発として、、

 

専門職としての受け入れ体制もととのっていてます。クライエント(来談者)や患者一人に対し、医師、精神科医、カウンセラー(アートセラピストも含む)、ソーシャルワーカが共同して治療・診断・研究するシステムが根付いているため、チームのなかでお互いが支えあい、情報交換でき、ストレスも和らぐといった利点があります。


アメリカにはAmerican Art Therapy Association(AATA)という芸術療法の協会があり、アートセラピストになりたい人は協会が認定した大学院の修士課程で専門的なトレーニングを受けます。(どんな大学にあるかご興味ある方はこちら→http://www.arttherapy.org/aata-educational-programs.html)。大学院卒業までにインターン700時間以上を経験した後、さらに1000時間の臨床経験と規定のスーパーヴィジョンを修了するとA.T.R(登録アートセラピスト)の受験資格を取得できます。その後試験に受かれば、A.T.R-BC(認定アートセラピスト)の資格を取得できます。

 

アートセラピストになるには心理学と美術、両方の専門知識が必要になります。心理学についてはいわゆる「臨床心理士」と同じ専門性のある知識・経験が必要です。様々な心理療法の理論、精神病理について、クライエントとの信頼関係、セラピストとしての倫理観、そして多民族国家アメリカならではですが、民族のバックグラウンドと私たちがもっている偏見については詳しく学びました。

 

私自身の経験では、大学が心理学でも美術専攻でもなかったため、まず大学で必要な単位をとりながら、大学院にかよっていました。これは大学によって異なります。一般的に外国人が入学に必要なものは、必要な学部の成績表、アートの作品、論文、TOEFLの点数、そして最後に面接です。アートセラピーを受けるにはアートのテクニックは全く必要ありませんが、アートセラピストになるためには美術の基本的な知識と技術が必要になるため、美術の授業には大学院にはいっても参加していました。

 

修士最後の年はインターンをしながら、論文を書き、授業にも出る、というタイトなスケジュールでした。だいたい朝の9~10時にインターン先に入り、まずは電話相談で始まり、ミーティングやセッションを夕方までこなします。そしてその後、夜6~9時、大学院に戻り授業を受けます。2年目はケーススタディー(事例研究)が多く、プレゼン力が鍛えられました。週に個人スーパーヴィジョンが2回(1回はアートセラピーのスーパーヴィジョン)、グループスーパーヴィジョンも2回(1回はアートセラピー)。夏休みや冬休みは、「集中講座」といって朝から晩まで授業があります。何といっても醍醐味は、どの先生もアートセラピスト( A.T.R-BCまたはM.F.T)として最前線で活躍しているカウンセラーばかりだったこと。実践での疑問、問題を全力でサポートしてくれる安心した環境の中学べることは、何にも代えがたいものになりました。

 

留学生は私だけだったので、「外国人」には決して「やさしくない」環境でしたが、あの時の経験が血となり肉となっているように思います。ネイティブにとっても中身の濃い内容なので、途中で休学する仲間もいました。アメリカでカウンセラーやセラピストをめざすにはかなりの覚悟がいりますが、その分、自分の身に付いた知識・経験は生涯の宝になるはずです。人の心を扱う仕事なので、自分とどれだけ向き合ったかが大切になってきます。このくらい学んで経験して当然といえば当然ですよね。どの世界もそうですが、学びは一生続きます。

 

アメリカアートセラピー協会のHPです。全米の登録アートセラピスト、アートセラピーを受けることができる施設、最新の論文、本、求人など、情報が満載です。ご興味ある方はご覧ください。

 

http://www.arttherapy.org/

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