TA (Transactional Analysis)とは?
・TAとはアメリカの精神科医エリック・バーン(Eric Berne, 1910-1970)博士が1950年初期に創案したパーソナリティー理論で、個人が成長、変化するためのシステマティックな心理療法の一つです。(国際TA協会)
・他の心理学と大きく異なるところは、私たち人間の複雑な反応や機能を図式化(ダイヤグラム化)したところです。心の中で何が起こっているのかを視覚化できることにより、心をより理解しやすく、気づきと変容を促してくれます。また、自分を知ることで周りの人たちとの関わりもスムーズになります。
・「本当の知識とは、言葉をしっているということよりも、どのように使う(行動する)かを知っていることである」
“True knowledge is to know how to act rather than to know words.”(Eric Birn)
<TAの基本的な考え(TAの根本にある3つの哲学)>
1.人は誰でもOKである。
存在に優劣はない。男でも女でも、子どもでも大人でも、障害があってもなくても、勉強ができてもできなくても、
命としての重みは一緒である。
2.誰もが考える能力を持っている。
どんな人でも、日々の行動や人生に何をもとめるかを決めることができ、それに対して責任をもてる。
3.自分が自分の運命を決め、そしてその決定を変更することができる。
どの人にも無限の可能性があり、自分で運命を決めることができる。そして今の自分は今まで自分が選択してきた
結果である。また決めたことをいつでも変更できる自由がある。 “Being is Choosing”(人生は選択である)
<TAの目的>
TAは自律性を高め、人生のゴールに向かって自分らしく生きることを目標にします。より幸せな人生のゴールに向かって自分をコントロールすること、つまり社会的、経済的、精神的、肉体的に自分をコントロールすることを目標とします。
<自律に向かっての3つのステップ>
1.気づき (気づきへの3つのポイント①行動:自分自身、他者がどのような行動をしているのかを知る②思考:自分と他者がどう考えているのかを知る③感情:自分と他者どう感じているのかを知る)そしてさらに、状況や環境(場所、空間、時間、天候、規則など)も含まれてきます。まずは、今ここにいる自分が「快」と感じているのか「不快」と感じているのかに気づくところから始まります。自分を知ることで他の人のことを理解することもできるようになります。
2.自発性 (無限の選択の中から自分の行動、思考、感情を意識的に、自由に選択し、問題解決へと進む能力のことです。「過去と他人は変えられない。変えられるのは今ここにいる自分自身の行動」。)
3.親密さ(互いに包み隠さず「本音」で話し合える人間関係を目標にします。親子、友人、仕事仲間が共に支えあい生きる(共存)できる世界の実現を目指します。)
国際TA協会(International Transactional Analysis Association: ITAA): http:www.itaa-net.org/
1964年サンフランシスコで結成。2006年では世界65カ国焼く8000名の会員数を持つ、TAの活用を研究し、その普及を図ることを目的として設立された非営利の科学的な教育団体です。TA理論の臨床、教育、組織、カウンセリングの4つの分野で、実践と創造的発展を援助しています。