遊びってなんだろう?~ shall we play?
「遊びは子供が安全で肯定的に感じている時
より豊かで満たされたものになる」
(2011, Amodt & Wang)
目覚めた時から寝る瞬間まで
文化や国境、時代を超え
人間の子どもはよく遊ぶ
おもちゃがなくても
身の回りの物で
遊びをクリエイトする。
目を輝かせ、
心から楽しそうだ。
けれど、最近の子どもたちは忙しい。
小学校3,6年生になる息子と娘の悩みは
学校でしか友達と遊べないこと。
学校が終わったらみんな習い事へGO!。
しかも毎日。
多い子は一日に2つを掛け持ちする。
大人も顔負けのハードスケジュールだ。
遊ぶ暇がなくなり
遊ばなくなった子どもたち。
そのことは絵にもよく表れている。
整ったきれいな絵。
間違わないように鉛筆でうすく下書きをする。
自由に描いていいとなると、
何を書いたらいいか分からず
じっとしている子どももいる。
反対にここぞとばかりに
なぐり書きをする小学生たち。
人間はどうして遊ぶのだろう?
実は遊びは人間だけの特許ではなさそうだ。
チンパンジーなどの霊長類はもちろん
犬や猫も、そして
オオトカゲがサッカーパスをしたり
脳の直径が9㎜にも満たない
無脊椎動物のタコやイカさえ遊ぶという。
(Fagen, 2005. Iwaniuk, 2001. Mather,1999)
様々な動物が遊ぶため、
遊びはただ楽しいからだけでなく、
「何か重要な機能を持っている」として
研究がすすんでいる。
(Aamodt, 2011)
遊びの目的として考えられているのは
1つは成人に必要なスキル、能力を訓練するため
と言われている。
子猫や犬のじゃれあい、
鳥の合唱、
子ども同士のケンカ。
遊びながら自分の力加減を試し、
安全か危険かを知る練習の場になっている。
その他に、遊びは
自分の好き嫌いを知り
好奇心を養う場ともなっている。
(これは成人した時の自分の価値観へと結びつく)
(Fagen, 2005)
そして、遊びはストレス発散にもなる。
リスざるの研究で
遊ばせないようにすると
唾液内のストレスホルモン、
コルチゾールの量がアップしたという。
(Jeilsa, 2006)
「遊びの制限」はストレスをかける。
遊ぶことでエネルギーを発散させ、
ストレスを減らし、
充電するようだ。
そして大切な役割として、
遊びは、人間関係で大切な
「社会的きずな」を高める。
実際、隔離されたラットやネコは
成人するとうまく集団に溶け込めず攻撃的になる
という研究もある。
遊びが足りないと、
集団社会で暮らす人間にとっては
いざこざが増え、
お互いが暮らしにくい未来が
待っていそうだ。
遊びをよく観察してみると
子どもたちの心の奥をのぞくことができる。
子どもの社会は大人の社会の鏡写しと考えると
子どもの遊びを見ることで私たちの心の中まで見ることができる。
今週末は、子どもたちとの遊ぶ時間を
長く質のいいものにしてみてはいかがだろう。
目の前にいる子どもたちがどんな遊びをしているか、
日常生活に自分を知るヒントがたくさんある。