子どもの心を読み解く~how to translate children’s feelings・・・two types of characteristics in children~
基本的に子どもたちはおしゃべりが大好き。
絵を描いている時も、
どこで息継ぎをしているのか分からないほど
ひたすら話し続けている。
特にグループワークの時は
同時に何人もが
全く違う話題を話し出すから大変だ。
描いている絵について聞こうものなら
「待ってました」と言わんばかりに
絵の内容や物語、家族のこと、昨日の出来事、などを
細かく話し出す。
一方で、よく見てみると
だまって黙々と描いている子どもたちもいる。
おしゃべりグループに気をとられていると
存在すら忘れてしまうほど、
静かな子どもたち。
絵について聞いても
はにかみながら
1,2語話すだけ。
そしてまた絵に戻る。
自分から話しかけることはあまりない。
大人はついつい
この2つの全く違うグループを発達的に
「比べて」しまうことがある。
よく話す子どもたちの方が、
認知的にも発達し、想像力があり、
問題解決力もあるように見えてしまうから。
おとなしい子どもたちは
言葉の発達も想像力も
まだ育ってないのかな、
もうちょっと本を読んであげた方がいいのかな、と
大人の妄想が膨らむ。
子どもたちが絵を描くとき
ざっくり大きく分けて
2つの行動タイプがあると言われている
(ガードナー,1980)
物語を話すことで社会的触れ合いを楽しむ
「ドラマティストタイプ」
色や形、大きさに関心があり、他者との社会的な交流にはあまり興味がない
「パターングループ」だ。
もちろん、当てはまらない子どももいるし、
両方を兼ね持つ子どももいる。
発達的な遅滞がある場合もあるが
単に子どもたちの「外界への反応」の仕方が違うこと、
「内的豊かさ」と「言語的表現力」は比例しないことを
周りの大人は理解し、
「絵を描く過程」と
その「イメージを話す過程」を分けて
絵を見ていってあげる。
このちょっと周りの反応が
子どもたちを傷つけることもあり
また成長を助けることも多い。
絵を使って上手にコミュニケートし、
絵を上手に翻訳し、
心を読み解いていく、
アートセラピスト(芸術療法士)の大きな役割の一つ。
答えはすべて絵の中に。