小さな冒険家~let them explore the world
子どもたちは起きてから寝るまで
ひたすら動く。
高いところから何回も飛び降りたり
ぐるぐる回り続けたり、
ジャンプしながら移動したり、、、
大人の目には「無駄」で「無意味」
に思える動きが多い。
でもよ~く観察してみると、
その子なりの意味と目的があることに気づく。
ぐるぐる回ることで
世の中が全く違って見えるのを楽しんでるのかもしれない、
たまっているストレスを発散しているのかもしれない、
ジャンプすることで
鳥のように飛んでいきたい気持ちを表現しているのかもしれない、
初めてのスリルを楽しんでいるのかもしれない。
子どもたちのこういった動きは
体の「自然な欲求」のようだ。
どんな風に体が動くかを
「試したい」という好奇心だったり、
「ことばにできない思い」を
体で表現しようとしている。
絵にもそれは現れてくる。
12~18か月ごろになると
子どもたちは誰に教わるわけでなく
自然と「なぐり描き」(Lowenfeld & Brittain, 1982)
という、ぐじゃぐじゃ書きをはじめる。
人種や時代を問わず、
この頃の子どもたちにクレヨンと紙を与えると
線や点をたたきつけるように描きはじめる。
単に腕の運動を楽しんでいるように見えるが
自分以外の「何か」を描くプロセスを楽しみ、
又は「自分を表現する」ことを楽しんでいる、
という考え方が今は一般的だ(Malchiodi,1998他)
そしてこの時期を十分楽しむことで
自分のカラダをコントロールすることを学び、
次の段階、○△□といった形へと発展していく。
そしてしばらくすると、これに名前を付け始める。
「お母さん」「おじいちゃん」「犬」、、
ぐじゃぐじゃした線や形で自分のまわりにあるものを表せる、
と気づく。
心理学的に言うと
この行動は「見立て」・「名付け」と呼ばれている。
あるものを「象徴」を使って表すこの時期は
大切な心の働き・成長が芽生えたことを教えてくれる。
ブロックで鳥や船を作ったり、
ごっこ遊びをしたりもこの時期。
こんな風に、
自分のカラダを通して、
世界を表現しながら成長していくのだが、
ひたすらぐるぐる回っていたり、
散歩道、前にすすんでくれない子どもたちに
ついつい、
「もういい加減にグルグル回るのやめなさい」
「そんなことしたらケガするよ!」
「こんなところに落書きやめて!」
と言いたくなる「大人な」私たち。
この世界とのつながりに気づき、
自分の世界を築く
この大切な時期を
辛抱強く、
けがしないように
「見守り」ながら
小さな冒険家が満足できるまで
探検できる機会をたくさん作りたい。