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未来を語る絵~小児科の子どもたち~ Children with Leukemia


私たちが無心に、夢中になって描いた絵(自発的描画)には

何気ない落書きの中にも、

無意識水準からの情報がたくさん詰まっています。

過去、現在だけでなく、

未来の情報も。

ロンドン在住のユング派の心理療法家、スーザン・バッシュは

絵が内的世界だけでなく身体的・生理的情報をも

明らかにしていることに注目した草分け的存在。

チューリッヒ大学医学部脳神経外科病棟で

主に重病の子どもたちの自由画を何十年にもわたり研究しました。

その研究は大きく評価され、

病院でのアートセラピー活動の火付け役となりました。

バーシュの研究を一部ご紹介すると、

死を目の前にした子どもたちは淡い青一色で描く傾向があったり

また癌の転移があるとき、

藤色を多く使ったり、

繰り返す数字(例えばリンゴ9こ、葉っぱ9枚など)は

その子が9歳の時に起こる出来事を予言することが多々あったり、、、

つまり、子どもたちは無意識的に

未知のもの、や未来に起こる出来事を描いている、

というものでした。

実際、私の経験からも

小児科でのアートセラピーをしていくなかで

子どもたちの自由画のなかに

このような「サイン」が見当たることに気づきました。

(初めは半信半疑でしたが。)

白血病治療が始まり腎臓機能が低下したFくんは

体調がすぐれないとき、

「黒っぽい雨」をよく描いていました。

バッシュによるとがん患者の絵の中の「黒い雨」は、

「転移による悪性腫瘍の拡大」を示すことがあるとのこと。

脳腫瘍のあったAちゃんは

人物を描くとき、腫瘍のある場所にいつも

赤色を使います。

同じく白血病のYちゃんの描く人物画にはいつも

赤色が見られず、

人物画でも白・空白の割合が目立ちました。

白血病患者はよく白を使います。

また、回復の兆しがあるときは、

子どもたちは深い緑をたくさん使う傾向があります。

元気な子どもたちは太陽は右上に描くことが多いのですが、

病院にいた子どもたちは、

右上ではなく左上に描くことが多くあます。

この場所は太陽が沈む、つまり心身ともに後退している状態。

スーザン・バッシュの研究の大きなところは

これらが偶然の一致ではなく、

確かなる「手掛かり」、「知らせ」、

だということを研究データとして明らかにしたことです。

絵をより深く解読できることにより、

たくさんの子どもたちとその家族、

そして医療スタッフとの

より親密な「分かち合い」「共感」が絆を強めました。

そして、それにより「支えあう」ことが

子どもたちの様態を変えることができる、

という素晴らしい経験も出来ました。

絵は身体的な病をもつ子どもや大人だけでなく、

健康な私たちの心の奥深くを知る、

そして可能性を知る道具にもなりえます。

今は一般的にはあまり知られていないアートセラピー(芸術療法)。

この可能性を強く感じます。

※色や象徴は、心身ともに元気な子どもや大人では、その意味や解釈が大きく変わってきます


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