アートセラピーでのアクシデント~The accidents in AT lead us to the new sages.~
芸術療法をしていて面白いことは
「アクシデント」が起こって
それが状況を好転させることがあること。
すぐにぐずぐずすることで気を引くのがお決まりの
4歳のRちゃん。
新しくなったフェルトペンを早速使ってみたけれど、
インクがどどどっと出てきて、
手がすっかり汚れ、
石鹸で洗っても取れない。
癇癪を起こす寸前のRちゃん。
ところが、他の子どもたちは
手についたインクでフィンガーペイントをはじめ
大いに楽しみ始めました。
それを見て
ぐずりはじめていたRちゃんの中で
何かが動いたようで、
ためらいながらも、
にっこり♪
手についたインクはもう気にならなくなり、
アートに夢中に取り組み始めました。
そして、手を洗って後片付けをした最後に、
「インク、取れなかったね、でも楽しかったね。」と一言。
一緒に楽しむ、
時間を共有する。
グループ活動は思わぬ展開を生むことがたくさんあります。
こういった小さな経験の積み重ねが
依存と自律という課題を見つめる可能性のドアを開き、
集団にプラスにつながる突破口ともなりえます。
TA心理学(交流分析心理学)では共存・自律への道をI’m OK/You’re OKという言葉で表します。
私もあなたも、このまんまの私とあなたでいい、という存在そのものを認めあう状態。
セッション中のこういった小さな出来事一つ一つが
対人関係の大切な基礎を
築いていくことに貢献しています。
今回、Rちゃんは、
いつもと違う感情体験ができ、
自分はこのまんまでもいいんだ、ここにいていいんだ、
みんなもみんなでいいんだ、
というI’m OK/You’re OK感をしっかり味わ
他人と自分を認め合う、という経験ができたと思います。
これが自身になり、
これから歩んでいく基礎になるはずです。