次のチャプターへ~When we start the next chapter~
夏が過ぎると子どもたちはぐぐっと一回り、二回り成長する。
体だけでなく、心の成長も目にみはるものがある。
その成長ぶりは、熱帯雨林の植物のように、
1週間見ないだけでも、何センチも太陽に向かって芽を伸ばしていく。
年下の子どもたちをサポートしてあげれるようになっていたり、
他の子をほめてみたり、
「ぼく」が「おれ」になっていたり、
ばーか、あーほ、などの言葉が使えていたり、
「うそ」が上手になったり、
大人の反応をみつつ、
毎日が実験の場となっている。
今日のクラスではやっているのは、
切り取った雑誌を貼って、その下に秘密の絵を描き、
「こそっ」と見せること。
誰も知らない自分の秘密の世界を作ったけど、
やっぱり見せたいし、見ていてほしい。
今まで、外の世界からスポンジのように吸収しつづけていた
知識、体験を自分なりにまとめ、熟成させ、自分の肥やしにし、
また新しく「自分」を作っていく。
私たちは大人になった今でもこれを繰り返している。
食べて、吸収して、発酵させて、それを次への肥やしとする。
ただ、子どもたちとの違いは、
子どもたちほどの冒険はあまりしないこと。
「知っている」範囲で収まっていこう、
と多かれ少なかれ打算が働く。
その方が安全で安心。
変化は恐怖と不安を生むから。
外からの情報は、自分が心地よく感じるようにアレンジされ、
いらない情報は無意識にカット・編集されている。
このガードを緩めた時、
大人も「成長」し始める。
脳も活性化され、
心も生き生きとしなやかに
若葉のように若いエネルギーが
体の中を走るようになる。
そして私たちはこのガードを緩めるために
「自己成長セミナー」やカウンセリングへと足を運ぶ。
子どもの頃は、行かなくてもできたのに。
でも、こうやって前に進んでいくのもいいんだろう。
きっと人間も植物のように
死ぬ直前まで成長したい!欲求がある生き物なんだろう。